記憶の再生について考えるブログ

放送大で学位取得した古川美樹が考えたことを脈絡もなく書き綴ったものです.

放送大学博士後期課程と学位取得

僕が,放送大学博士後期課程を修了して1年と4か月が過ぎた.

その間,勤務していた学校では4名の新規採用教職員を指導し,その後,30数年の小学校教諭としての仕事を退職して,再び今,別の小学校の理科専科講師として勤務している.まさに,時の経つのは早いものである.

僕は,かつて放送大学修士課程に在籍していた.そのとき書いた修士論文は,Open Forum(放送大学大学院教育研究成果報告)第9号の人間発達プログラム枠の巻頭に掲載されている.修士論文口頭試問では,他の院生の発表を聴いていたが,他人の発表はよく聴こえるもので,自分の発表は緊張の連続でよく覚えていない.それでも,冊子に掲載されたということは,内容的にはよかったらしいと当時は納得していた.

以下は,掲載された修士論文のダイジェスト版である.今考えると,この論文が博士後期課程への進学につながっていたと思う.

 

 

 

 修士課程の2年間は,小学校の教諭として教務主任をしながら,1~2か月に1回は放送大学に通っていた.通っていたと言っても佐賀県在住であるので住居に近い長崎空港から羽田空港まで飛んで,リムジンバスで幕張まで通う日々であった.最初は,セミナーハウスを利用せずに幕張駅に近いホテルに宿泊していたので,結構金がかかってしまったものだ.大学では,指導教官を囲み,自身の進捗状況を説明したり,他の院生の説明を聞いたりと中身の濃い内容であったのを覚えている.同期には,文部科学省の官僚,高等学校教員,自衛隊員,NHK職員など多種多様の人たちがいて,それぞれに設定したテーマで修士論文を執筆していた.しかし,AIじゃあるまいし自身の持つ概念とリンクしない内容については,全く思考することも出来なかったことを覚えている.ところが,このゼミを束ねていた指導教員の岩永先生(現副学長)は,全ての課題に対して適切なアドバイスと指導を与えていたので,それこそリスペクトの極みと感じていた.2年間というのは長いようで「あっ」という間に終わってしまう.僕は,2年目も教務主任として学校全体の教育計画を立てる役職で多忙な日々を送っていた.ご存知のように,修士課程は自学で30単位を取りつつ,修士論文をまとめ,最後は口頭試問に合格するというハードワークである.僕は,児童の思考過程に興味があり,児童の記憶がどのように形成されているかを知りたかったので,認知科学を中心とした講座を選択していた.教員なら児童や生徒が,自身が指導した内容をどのように概念化したのかについて知りたいのは当然だろうが,この思いは現場の教員ならではのものであろうと思う.

ここで教育学と言わずに認知科学と言うところが面白い.それは,小中学校の教員として教育学は30年もやってきたが,児童や生徒がどのようにして知識を概念化するかについては,現場の教員としては何も結論を得ていなかったからである.(続く)