記憶の再生について考えるブログ

児童がどのようにして学習内容を理解するかを実践経験をもとに紹介しています.

記憶再生マップの読み方について

いつもお読みいただきありがとうございます. またまた,前回からの書き込みから1か月です.この間,学会の年会発表原稿を仕上げたり,次の投稿原稿を執筆したりしていました. 今回は,私が大学院博士後期課程時代に書いた論文を読みながら,記憶再生マップ…

手がかり再生とエピソード記憶について

またまた前回の書き込みから時間が経ってしまいました.この間,学会の年会資料の作成を行っておりました.まだまだ時間がかかりそうなので,一旦こちらの記事を書きます. 今回の記事は,手がかり再生における再生内容(エピソード記憶)の話です.何らかの手…

教師の発話の留意点③

今回で教師の発話に関する話題は終了です. 論文からの引用は,「児童が概念形成できない言葉の心象が,その言語と関連したスキーマに含まれる別の言語の追加発話で,呼び起こされることを確認した」というものです. 論文で挙げた具体例は児童に対して教師…

教師の発話の留意点②

今回も発話する上での留意点について紹介します. その部分を論文から引用すると,「大半の児童の記憶痕跡にある指導内容に関連した心象を表す言語は,児童の誤概念を修正できることが明らかになった」ということです. 小学校の授業では,児童の持っている…

教師の発話の留意点①

新年度になって異動しました.新しい学校は,武雄市立北方小学校で,またまた理科専科ということで理科の指導を行います.ありがたいことです(^^;) さて,前回の書き込みから約1ヶ月になろうとしていますが,肝心の論文で示した教師の発話について知っておい…

ひと休み~日本の学校教育を考える~

このブログは,教育実践の結果から分かったことを,分かりやすく紹介していますが,今回は初等中等学校で勤務する多くの教員が感じていることを書きます. 先日,UNEXTで「小さな恋のメロディ」という映画を見ました.マーク・レスター,トレイシー・ハイド…

記憶再生マップとテストの成績

これから5枚の記憶再生マップを見てもらいます.全てこれまで提示したマップと同じ授業時間に書かれたものです.この後,市販の評価テストを行いましたが,それぞれのマップを書いた後の児童の成績が気になります.点数は公表しませんが傾向だけ紹介します.…

児童によって変わる記憶再生マップ②

ある単元の授業が終わり,児童に記憶再生マップを描かせるとき,必ずしも児童のモチベーションが高まっているとは限りません.次の記憶再生マップは,そのような児童が描いたものです. 児童が描いた記憶再生マップ3 この児童は,普段は積極的に学習に取り組…

児童によって変わる記憶再生マップ

今回は,色々な記憶再生マップを紹介します. これは,前回と同じ授業で別の児童が作成したものです.記憶再生マップには,正解がありません.それは,児童がその時点で持っている概念を児童や教師が確認するためだからです. 児童が描いた記憶再生マップ2 …

児童は自分の誤概念を修正できるか.

今回のテーマは,誤概念です. 教育現場では,児童・生徒や教師もけっこう気になる内容ですね.児童・生徒にしてみれば,見えない(見てない),聞こえない(聞いていない),考えられない(考えていない)などの条件によっては,誤概念が形成されます.きちんと授…

児童の書いた内容から,記憶の種類を探る②

今回は.児童が授業で行うマッピングを紹介しながら,児童が記憶している知識を見ていきたいと思います.まず,このマッピングですが,様々な教科等で行われているマッピングとは異なります. 記憶再生マップ このマッピングは,学習した結果として記憶にあ…

児童の書いた内容から,記憶の種類を探る①

前回から1か月以上過ぎてしまいました.(^^;) さて今回は,「児童の書いた内容から,記憶の種類を探る」というテーマでお話ししたいと思います.まずは,記憶の種類です. 多くの論文等に引用されているのがこちらの図です.もちろん,これは原図のデザイン…

「お寺の」という言語のすごさ

再び言語の話. 成層火山のイメージは「富士山の形」という言葉で全員が正しい絵を描くことができました.やはり日本人の誰もが,富士山の形についての概念は持っているようです.でも,児童一人一人がどこでそれを獲得したかは不明です.少なくとも,小学校…

正しい概念を想起させる言葉

「たてじょうかざん」という発話によって,児童は縦に長い火山を想起しました.実際は,何もイメージできなかった児童もいました.つまり「たて」の意味を解決できなかったのでしょう.しかし,これらの児童の困惑は理解できます.小学生を相手に授業をする…

言葉によって異なる概念

ずいぶん前の話ですが,ある小学校で理科の授業をしていた時のことです.指導内容から少し外れていたのですが,たてじょう火山,せいそう火山,しょうじょう火山の大まかな形を児童にイメージさせることが目的でした. 「たてじょうかざん」と発話した場合,…

伝わらない言葉 小学生の言語理解

博士課程の話が完結して1か月以上が経ちました.この間,別にサボっていた訳ではなく,小学校の理科専科教員としての通常業務や大学の先生との共同研究,それに修士論文を書かれている先生の指導などがあってこのブログを書く時間がなかったのです. ところ…

放送大学博士後期課程と学位取得20

2018年3月24日(土) 放送大学 学位記授与式 いよいよその日がやってきた. 2015年4月1日に博士後期課程に入学して3年で学位記授与式にたどり着いた. 思えば,管理職への道を嫌って2009年4月1日に修士課程に入学し,2年間で修士の学位を取得し,その後,放送…

放送大学博士後期課程と学位取得19

2018年1月-2月 口頭試問も終わり,特に論文の修正もなかったのであとは製本である.ハードカバーの博士論文は,保管用と主研究指導の先生に差し上げるためである.同時に,ソフトカバーも製本することにし,関係のある先生方に贈ることにした. しかし,製本…

放送大学博士後期課程と学位取得18

2017年12月4日. 博士論文締め切りの日であった.僕は,主研究指導の先生からの10万字という指示を3000字超えて博士論文を仕上げることができた.今思えば,普通に小学校の級外として週当たり22~23時間(今となっては覚えていない)の受け持ち授業をこなし,…

放送大学博士後期課程と学位取得17

なんとまた一か月のブランク. この間にしていたことは,国際会議(IIAI AAI 2020)が今年はオンラインで実施されることになり,発表時間20分の英語のビデオを作成していた.当然,共同研究者の大学教授の先生方が満足するビデオ内容である.このことについて…

放送大学博士後期課程と学位取得16

前回の記事を書いて1か月経ってしまった. この間,2つの論文を仕上げていたのでどうしても書く時間がなかった.その中の1つは,国際会議のプロシーディングスである.査読者が4人もいたが,幸いなことに採用された.この件に関しては後日. 予備論文審査に…

放送大学博士後期課程と学位取得15

予備論文審査その2 2017年6月10日,予備論文を執筆することができるかはこの報告会で決定される.この会に出席したのは,主研究指導教員の先生,副研究指導教員の先生(2名),人間科学プログラムの先生方,ゼミ指導を受けた別プログラムの先生,博士後期課程…

放送大学博士後期課程と学位取得14

予備論文審査 2017年6月10日,予備論文の全体構造を簡潔に紹介し,構成と章ごとの内容を説明した上で,7月1日までに論文がまとめられるか否かについて先生方が議論し判定する会が,放送大学東京文京学習センターで開催されることになった.なお,その後の…

放送大学博士後期課程と学位取得13

博士後期課程は,博論を書き上げることが至上命令である.よっぽどの事がない限り,その過程は初めて経験することばかりである.主研究指導教員の先生からの指示も,3年間のタイムスケジュールを理解していることを前提として指示や指導を受けるので,自分で…

放送大学博士後期課程と学位取得12

前回の話で共同研究を行っている先生方の名前を明らかにしていなかったが,別に悪事を働いているわけではないので,今回からは実名としたい. ここで僕が共同研究をするようになった経緯について話す.僕は,小学校の教諭として採用されて7年が過ぎたとき,…

放送大学博士後期課程と学位取得11

博士後期課程の1年目は,教育学研究法(2)「教育社会学研究法」が後期に放送大学本部で開催された.使用教材は,「社会科学のリサーチ・デザイン~定性的研究における科学的推論~G・キング,R・O・子へイン,S・ヴァーバ著,真渕 勝 監修,勁草書房」で,研…

~ひと休み2~

Amazon Prime Videoで「感染列島」という映画を観ている.得体の知れないウィルスが日本列島に広がっていく話である.恋愛物語と揶揄される展開もあるが,現在の医療崩壊らしきシーンも多く表現され,実際の医療現場の様子を垣間見た気がした.完全に主役は…

放送大学博士後期課程と学位取得10

どのような日程で行われたのか記憶がはっきりしないが,MさんやSさんの進捗状況の紹介後に,人間科学特論(2単位)の講義が行われたと思う.人間科学プログラムの2期生として合格したのは,僕の他には某県の職員Aさんであった.この日の集中講義は2人で,主に…

放送大学博士後期課程と学位取得9

放送大学博士課程に進学して初めてのゼミが,2015年の4~6月に放送大学本部のゼミ室(修士課程でも利用していた)で行われることになった.ゼミ室に入るのは3-4年ぶりだ.すでに2名の学生がいたが,見覚えのある人物が1人いた.修士課程で同期だった元文部科学…

~ひと休み~

コロナウィルスの蔓延で何でもかんでも自粛されています.僕が楽しみにしていた宝塚歌劇団の公演も,6月末(4月9日現在)まで全公演が中止となりました.緊急事態宣言も出て,様々な職種に大きな影響が出ています. 教育関係では,地元の佐賀大学は前期の授業…