前回の内容を読んで,「なぜ1時間(45分)の終末に学習のまとめを用意していないのか」と疑問を持たれた方も相当数いらっしゃったと思います.しかし,45分で全員が理解すると考える方が奇妙な事のように思えてきます. 記憶の研究から言えば,記憶を確かなも…
多くの方にご覧頂き感謝いたします.本ブログで発信している内容は,実際に私が行った授業をもとに構成しています.今回は前回の続きになります. なぜ,まとめを保留にするのかということですが,ちょうど1年前に次のような内容を投稿していました. www.k…
前回は,授業の初めに以前の授業の内容を記憶想起させると,児童はReady状態になるということを書きました.これは,強制的に記憶想起させていることになりますが,児童の記憶はあまり消失していないので無理なくできますし,何よりも学術的知見に基づいた学…
やっと退院しました.10日間の入院でした.入院中の食事は,ほとんど全粥だったので若干のダイエットになりました.しかし,粥が嫌いになってしまいました. さて,ここでの問題は,直前の授業で何がなされたかをきちんと記憶想起させているかどうかです.な…
記憶の再生について考えるブログ-別版-(10/23) 現在,入院中ですが経過も良く,もうじき退院できそうな状況です.私の病気は,胆嚢胆石症で,入院してすぐに胆嚢を摘出しました.現在は,Cチューブなるものがまだ刺さっていますので,造影剤検査の後に引き抜…
多くの方にこのブログをお読みいただき感謝申し上げます. 成績が伸びないのなら指導の仕方を変更をするべきである,という佐賀新聞への投稿を紹介したところです.そこでこれからは,なぜ学際的な視点で授業を分析していかなければならないのかという話題と…
(New) 記憶の再生について考えるブログ-別版- 【前回】 生成AIの教育利用は,利用規約の順守や個人情報保護への配慮など課題がある.また,機械学習機能のブロックにより,AIが進化しにくいという問題もある.文科省は,これらの課題を踏まえて,パイロット…
【前回】 生成AIの批判的思考力や創造性、学習意欲への影響に関する懸念は、AIに対する過大評価によるものである。生成AIは将棋などでは人間を上回る成績を出すが、他の面では人間を完全に代替することはできない。生成AIを神の声のように思い込むと、批判的…
【前回の要約】 生成AIの登場は,情報通信機器の普及と学校教育の結びつきに対して,リスクが指摘されています.偽情報や個人情報流出などの懸念が,AIの機械学習に起因しています.ただし一部利用者は,このような報道に対して懐疑的な意見を持ち,AIについ…
【前回の要約】 ガイドラインの4ページでは、有識者に対するヒアリングの過程が分かる。最初には生成AIの仕組みと情報活用能力の結び付けが議論され、これは過去のパソコン導入と類似。当時の流布した「何でもできる」という考え方とCAIの広まりが関連し、私…
7月18日に文部科学省から,「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が出されました. 生成AIについては,特に今年度になって認知度が高くなり,教育への利用が議論されています.本ガイドラインは,ネット社会での利用拡大の…
今回は,意味を持つ言語のイメージが脳内でどのように配置されているかを考えてみたいと思います.これは5月4日の記事で予告した内容です.まず話の前提として,この話のルーツは,2018年6月に公開された自分の博士論文「小学校理科教育における指導方略の研…
梅雨ですが,私が住む地域では降水量がいつもより少ないようです.こんな時は,これまで梅雨の末期に大雨になることも多かったので不安になりますね. これまで,2回にわたって生成AIについて書きました. ちょうど今朝(6/23)の新聞に,「文科省から生成AI…
今回も生成AIの続きで,国語の授業を想定してみました. 超有名な教材です.4年「ごんぎつね」の授業中を想定してみましょう. 学習環境は,タブレットを児童が使うことを前提として考えます. 場面は,兵十のおっかあが死んで,その葬列が歩いてくる場面で…
「生成AIは,児童の学習を評価できるか」ということで,ChatGPT , Bing , Bardの3つについて同様の課題を与えてみました.これらの箇条書きは,小学4年生が理科の最終単元「すがたを変える水」の学習直後に本当に書いたものの半分です. 半分にした理由は,…
いつもお読みいただきありがとうございます. 前回までに,小学校の実際のデータをKH Coderに読み込ませ,共起ネットワークを作成しました. このとき使用したテキストデータは,4年生理科「すがたを変える水」での学習が終了した直後に書かせた箇条書き(a)…
いつもお読み頂きありがとうございます. 今回は,R4年2月~3月にかけて武雄市の小学校で実施した4年生理科「すがたを変える水」の授業後に記憶想起のみで書かせた箇条書き(a)の数日後に記憶再生マップを描かせ,その約1週間後に,記憶再生マップを参照しな…
今回からの内容は,記憶再生マップのような表現物は,その評価が非常に難しいので,その二次的著作物である箇条書きをテキストマイニングすることで記憶再生マップの評価とするというものです.(長文注意) 余談ですが,実践授業では単元の学習後に記憶再生マ…
いつもお読みいただきありがとうございます. このブログは,記憶再生マップを描かせることの効果を,2021年8月に以前在籍していた学会の年会で発表した内容をもとに説明するために書いています. この数回は,児童の概念形成には時間が必要であることや情動…
前回,自由の中にこそ,本音ありというまとめを行いました. 自由に書くことができるから,嬉しかったことを書いた子や分かったことを書いてみようと挑戦した子,一生懸命に頑張ったけど自分には難しかったと先生に伝えようとした子やどうしても書けなかった…
前回は,「児童は,前回の演劇を今日理解し,これから始まる演劇の意味に気づく」と書きましたが,当然ながら単元の学習は,常に過去の学習を記憶想起しながら,新たな学習が始まるというシナリオで日々の授業が展開されます. 授業の終盤には,1単位時間の…
前回の最後に,「授業という演劇を理解するためには,時間がかかる」と述べました. それでは児童はいつ,授業の内容を理解することができるのでしょうか. これを知るためには,自身が実際に児童に対して授業を行ってみなければ分かりません.授業を行うと…
前回の最後に, 「児童・生徒が学習内容を決められた時間で分かるようになるかは,甚だ疑問である」 と書きましたが,多くの現場の先生方は納得して頂けると思います. 児童・生徒が10人いたら,学習後の10人の理解と,その理解に要する時間は違います.過去…
いつもお読みいただきありがとうございます. 10月になり,武雄市では学期が後期になりました.武雄市は西九州新幹線も開業し,祝賀ムードの余韻もまだまだあります.また,ふたつ星4047も走り始めて,ほぼ毎日満席状態です. さて,今回の内容は,2021年8月…
【はじめに】 前回の書き込みからちょうど一か月となりました. お読みいただいている皆様に感謝しております. ここまでは,過去の実践研究で得られた結果をもとに,記憶再生マップを学習で利用することの効果について書いてきましたが,ちょっとひと休みし…
8月7日は立秋です. 昔は,お盆を過ぎると秋の気配を感じたものでしたが,今はいつまでこの猛暑が続くのか心配になるくらい毎日が暑すぎます.理科室の管理をしていますので,メダカの水槽にはいつも注意しています.理科室の気温は,この時期なら平均34℃程…
あっと言う間に梅雨が明けた感じです.理科室での授業は,30℃を超える中,児童には水筒を持参させ,いつ飲んでも構わないと許可を出しながら行っています.熱中症にならないような工夫も,そろそろ限界ですね. さて,今回は児童Bの箇条書き(a)と(b)です.こ…
今年の梅雨は,短いのかも知れません.毎日,暑い日が続いています.私が勤める小学校を含め武雄市の全部の小学校では,理科室,音楽室,図工室などの特別教室には,未だにエアコンが設置されていません.それなのに多目的室と呼ばれる教室には,エアコンが…
5月に運動会を行う学校が増えてきました.本校も5/22(日)が運動会でした.このところ5月に行っても,夏休み明けに行うのと同じように暑い日が続き,5月開催の意義が薄れているようです. さて,今回も記憶再生マップの効果について紹介します. これは,「記…
今回は,前回のBさんの記憶再生マップとそれを見ながら書いた箇条書き(b)についてです. 何をするかと言えば,箇条書きは順番に書かれたものですから,Bさんが記憶再生マップをどのような順で見たかということを検証してみます. 次の図の記憶再生マップに付…