記憶の再生について考えるブログ

児童がどのようにして学習内容を理解するかを実践経験をもとに紹介しています.

もう一度,記憶を再生することについて考えてみよう.

多くの方にこのブログをお読みいただき感謝申し上げます.

成績が伸びないのなら指導の仕方を変更をするべきである,という佐賀新聞への投稿を紹介したところです.そこでこれからは,なぜ学際的な視点で授業を分析していかなければならないのかという話題と記憶想起がなぜ学習で重要であるかについて述べていきたいと思います.

まず,学際的とは,幾つかの学問分野にまたがっていることを指す言語ですが,課題を解決するために単独の学問だけでは解決できない場合があることを認識すべきということが出発点となります.

我々は教員ですので,どうしても教育学に頼って物事を考えてしまいがちです.(という私は,教育学部の出身ではありません.)

まず最初に,一般的な授業の型を提示し,それぞれの問題点について解説します.なお,一般の方がお読みになることを前提として,教員の方には当然と思われることについても,丁寧に説明していきたいと思います.よろしくお願いいたします.

 

小学校の45分授業は,大まかに分けると,導入段階,展開段階,終末段階で構成されます.これを見ますと,大まかな推測はできられると思いますが,導入段階は授業の初めの部分,展開段階は授業の核心部分,終末段階は授業のまとめの部分です,

それと時間の配分は,教科や学習の内容(単元と言います)で異なりますが,おおよそで言えば,導入段階は10分程度,展開段階は30分程度,終末段階は5分程度になります.

それでは,佐賀県の西部教育事務所が教員用に提示している授業の基本的な流れに沿って説明します.

 

導入段階は,1「つかむ」,2「見通す」の2段階の学習が行われます.

今回は,1「つかむ」についてです.教員用の説明は,次のように書かれています.

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1「つかむ」

(1)学習への意欲をもつ.

〇驚き,不思議さ,必要感,疑問や問題点等を感じ,意欲を以て学習に臨めるような課題を提示する.

(2)学習のめあてをつかむ

〇めあてを本時の目標に沿って焦点化する.

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一般の方には,分かりづらいと思いますが,1「つかむ」とは,児童がこれから勉強する授業のめあて(目的・目標)が分かるという意味です.いくつかの例を示したいと思います.

佐賀県教育センターには,先生方が授業を行うときに立てる計画書,つまり学習指導案というものの例が掲載されています.その中から,いくつかを選び説明したいと思います.

(授業のめあての例)

5年理科「乾電池の数(電流の大きさ)を変えると電磁石の強さはどう変わるだろうか?」

1年国語「しまうまの赤ちゃんの,立つ,あるく,はしるようすをくわしくしらべよう」

4年国語「(話題や自分の考えが分かる言葉を入れて,短い言葉で)見出しを付けよう.

3年算数「23×3の答えの求め方を考えよう」

 

これらは,授業の計画書には必ず記載されているものです.

児童は,これらが黒板に書かれたら,ノートなどに転記します.

それでは,5年理科の例で説明します.

 

授業が始まってしばらくすると先生が,「乾電池の数(電流の大きさ)を変えると電磁石の強さはどう変わるだろうか?」を黒板の左上に書かれます.

しかし,このことが授業の最初ではありません.唐突に疑問を突き付けても児童は何のことか分かりませんよね.

そこで,(1)学習への意欲を持つ.(学習することの意味を知る・感じる)〇驚き,不思議さ,必要感,疑問や問題点等を感じ,意欲を以て学習に臨めるような課題を提示する.という手続きが必ずあります.

実際の手続きは,以下のように計画されています.

このような計画ですが,問題点を指摘してください.

※すみませんが,現在入院中です.退院した後,続きを執筆します.