記憶の再生について考えるブログ

児童がどのようにして学習内容を理解するかを実践経験をもとに紹介しています.

生成AIの教育利用に関する暫定的なガイドラインについて その①

718日に文部科学省から,「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が出されました.

生成AIについては,特に今年度になって認知度が高くなり,教育への利用が議論されています.本ガイドラインは,ネット社会での利用拡大の波が,教育の現場への一方的な波及に危機感を持った文科省が,早急にその利用について指針を示す必要に迫られたからであると思います.

今回から数回は,この暫定的なガイドラインを読んで考えたことについて,現場の教師目線で書きたいと思います.

このガイドラインでは「生成AIの教育利用の方向性」として,三項目にまとめて提示しています.ただ,資料を除けば17ページもあり,現場の先生方が手っ取り早く理解するためには,まずは4ページに目を通すとよいでしょう.そこにも,議論の跡が垣間見えますが,最終的に次の3つの項目に留意してほしいと述べています.

① 現時点では活⽤が有効な場⾯を検証しつつ、限定的な利⽤から始めることが適切である。⽣成AIを取り巻く懸念やリスクに⼗分な対策を講じることができる⼀部の学校において、個⼈情報保護やセキュリティ、著作権等に⼗分に留意しつつ、パイロット的な取組を進め、成果・課題を⼗分に検証し、今後の更なる議論に資することが必要である。

② その⼀⽅、学校外で使われる可能性を踏まえ、全ての学校で、情報の真偽を確かめること(いわゆるファクトチェック)の習慣付けも含め、情報活⽤能⼒を育む教育活動を⼀層充実させ、AI時代に必要な資質・能⼒の向上を図る必要がある。

③ 教員研修や校務での適切な活⽤に向けた取組を推進し、教師のAIリテラシー向上や働き⽅改⾰に繋げる必要がある。

ガイドラインの4ページでは,有識者に対するヒアリングの過程が分かるように書かれています.この中で最初に議論されてのは,生成AIの仕組みであり,つまり「生成AIとは何ぞや」という事と,「情報活用能力」の学習を結び付けようとしています.

このことは,平成の初期にパソコンが学校にも導入されようとしたときと同じロジックです.当時は,「パソコンは何でもできる」という考え方が流布し,現場に期待感がありました.時を同じくして,CAI(Computer assisted Instruction)の考え方が広まり,当時30代前半で佐賀県教育センターの情報システム係で研究員を務めていた私も,CAIの講座を行っていました.1時間の授業をパソコンで行うことを想定して,教材を作っていました.(つづく)