記憶の再生について考えるブログ

児童がどのようにして学習内容を理解するかを実践経験をもとに紹介しています.

言葉によって異なる概念

 ずいぶん前の話ですが,ある小学校で理科の授業をしていた時のことです.指導内容から少し外れていたのですが,たてじょう火山,せいそう火山,しょうじょう火山の大まかな形を児童にイメージさせることが目的でした.

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「たてじょうかざん」と発話した場合,「かざん」は「火山」と認知します.それ程,火山という言語は児童にとってすぐに認知できる言語です.次に児童は,「たてじょう」という言語に注目します.ここで児童は,「じょう」については,「状」という漢字が想起され児童の表現で言えば「~みたいな」と意味を類推します.問題は「たて」です.みなさんは,どのような漢字をあてはめますか.このときの児童もきっと困惑したと思います.一番多かったのが「縦」です.つまり縦に高い山のイメージを描いたのでした.

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 これは,そのときに1人の児童が描いた楯状火山の絵です.児童の思考に大人の常識は通用しません.この後,絵など描かずにどのようにして正しい概念に導いたのでしょうか.