結局,第一回の受験での合格者は12名であったと聞いた.それにしても,倍率は10倍以上の狭き門.
この素晴らしき能力を持った人たちは,10月から始まる博士後期課程の学生となった.いったい,どんな人たちが合格したのか.おそらく,大学の教員で博士の学位を取得しようとする人たちであろうと勝手に思い,羨ましがった.
この頃,自分は初任研指導担当という役目で,4名の新規採用教職員の指導を行っていた.毎日,新採の授業を参観し,アドバイスを与えたり,授業をして見せたりしながら勤務していた.
丁度,2学期の指導が本格化した頃,2015年度放送大学大学院博士後期課程入学生の募集があり,再び受験した.今度の会場は,地元佐賀学習センター,通称アバンセである.慣れた環境であり,修士課程と同日に試験があったように記憶している.佐賀では,博士の受験者は自分ひとりだった.
試験内容は,第一回と同じで,英語の長文読解等と論文である.今回の長文読解は,哲学の内容であったと記憶する.長文読解は,それぞれの言語の意味をつなげるだけではだめで,そこに自身の経験や知識などの概念を参照しながら解答する必要がある.そして,一通り時間いっぱい使って受験が終了した.
合格発表は,12月の初めだったと思う.大きな緑色の封筒が届き,その中に一枚の1次試験合格通知が入っていた.