現場の教員が最も知りたいことは,自身の教えが確実に児童・生徒に伝わっているかどうかであろう.「そんなこと,どうでもいい.」なんて思う教員は,まずいない.授業後には,教えたことがちゃんと伝わっているかと気になる.
最近の授業では,教師の直接的なinstructionというよりも,児童・生徒同士のlearningを演出する方がより実際的と考えられているが,それらについても教員の教えはあることに変わりなく,教員が計画して用意した教えを宝探しのように児童・生徒が自ら掘り当てて獲得するようにプロデュースすることもある.そして,いつの時代も教員は自身の計画が完遂されたかが気になる.だからこそ,単元の学習の最後に実施される評価テストの結果を随分気にするものである.
評価テストは,小学校にあっては教材販売業者が作成したテストを便宜上利用している.本来は,中学校教員のように,自身の教えが生徒にどのように理解されたかということを,自身が作成した評価テストによって判断するのがよいのかもしれない.なぜならば,自身が何をどのように指導したかを完全にトレースできるのは,自作の評価テストしかありえないからである.小学校の教員は,自身が選んだ教材販売業者が作成した評価テストを実施し,その結果に一喜一憂する.
しかし,よく考えてほしい.その評価テストで果たして自身が指導した多くの学習内容の理解がどれだけ測れたかを.